相続遺言判決実例集…(東京高判・昭和48年9月17日高民集26巻3号288頁)


  • (東京高判・昭和48年9月17日高民集26巻3号288頁)
 

(東京高判・昭和48年9月17日高民集26巻3号288頁)


 (東京高判・昭和48年9月17日高民集26巻3号288頁)

「複数の株式を有する被相続人につき相続が開始し,相続人が数人ある場合、右株式が当然に分割されると解すべきではない。何故ならば,複数の株式を分割するとしても,1箇あるいは数箇の株式を共同所有するという関係は,換価しない限り依然として残存することを認めざるを得ない場合の起り得ることが避けられない(このことは,例えば,1、000株の株式を配偶者と2人の直系卑属が相続するという場合を想定してみても容易に理解できる。)から,金銭債権とは異なり数量的にも常に可分であるとはいえず,したがって,複数の株式であっても可分性を有する財産権とみることはできないのである。仮りに,各相続人に整数の株式を取得することができ右のような事態は避け得られる場合であったとしても,株券の発行されている本件のような場合(株券発行済であることは当事者間に争いがない。),当該株券に化体された株式が複数であり(これが通常であろう。),かつ,その株券も複数であるときは,各相続人が取得した株式がいずれの株券に化体されているのか確定できず,そのままでは株式の移転も譲渡もできないという不都合な事態が生ずる。相続人の相続分に対応する複数の株券があり,各株券記載の株式数が同数であるという極めて稀な場合であっても,ある相続人の取得すべき株券については,他に権利を主張するものの出現することもあり得るのであって,当然に株券がそれぞれ各相続人に帰属することとなると相続人間に利益の均一性を欠くおそれがある。」

 


 

 


 

 
相続遺言判決実例集