相続遺言判決実例集…(最判・昭和54年7月10日民集33巻5号457頁)


  • (最判・昭和54年7月10日民集33巻5号457頁)
 

(最判・昭和54年7月10日民集33巻5号457頁)


 (最判・昭和54年7月10日民集33巻5号457頁)

「被上告人は,昭和21年11月27日,上告人は訴外Yを家督相続人に指定して隠居したのであるから,上告人の遺産相続による権利は右隠居により右訴外人に帰属した旨,主張したところ,上告人は,同年3月27日か同年12月15日,上告人は訴外Aを出産しており.右隠居時に訴外Aが少なくとも胎児としていたのであるから,右家督相続の指定は当然無効であるというのであるが、被上告人は,更に,Aは生後まもなく死亡したと主張していることが,明らかである。かりに被上告人主張のとおり家督相続指定がされ,かつ,訴外Aの存在により右指定が無効であるとしても,訴外Aが生後まもなく死亡したものであるとすれば、特別の事情でもない限り,訴外Yにおいてその無効であることを知り得ず,かつ,右訴外人がその無効を知り得なかったことが客観的にも無理からぬものとされるであろうから,右訴外人は自己が上告人の遺産相続による持分権を取得したものと信じていたものであり,かつ,右訴外人に持分権が帰属したものと信ぜられるべき合理的事由が備わっている,といえることが考えられる。その場合には相続回復請求権の規定が適用され,特別の事情があって右の場合にあたらなければ右規定が適用されないから,本件が右いずれであるかについて更に審理を尽くす必要がある。そして,かりに相続回復請求権の規定が適用される場合には,訴外Yから被上告人への持分権贈与の事実の有無,及び,右贈与の事実が認められれば被上告人が受贈者すなわち右訴外人の特定承継人として相続回復請求権の消滅時効を援用しうるかどうか,の点についても更に審理を尽くす必要がある。」

 


 

 


 

 
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