相続遺言判決実例集…(最判・昭和40年2月2日民集19巻1号1頁)


  • (最判・昭和40年2月2日民集19巻1号1頁)
 

(最判・昭和40年2月2日民集19巻1号1頁)


 (最判・昭和40年2月2日民集19巻1号1頁)

「所論は,養老保険契約において保険金受取人を保険期間満了の場合は被保険者,被保険者死亡の場合は相続人と指定したときは,保険契約者は被保険者死亡の場合保険金請求権を遺産として相続の対象とする旨の意思表示をなしたものであり,商法675条1項但替の「別段ノ意思ヲ表示シダ」場合にあたると解すべきであり,原判決引用の昭和13年12月14日の大審院判例の見解は改められるべきものであって,原判決には判決に影響を及ぼすこと明らかな法令違背があると主張するものであるけれども,本件養老保険契約において保険金受取人を単に「被保険者またはその死亡の場合はその相続人』と約定し、被保険者死亡の場合の受取人を特定人の氏名を挙げることなく抽象的に指定している場合でも,保険契約者の意思を合理的に推測して,保険事故発生の時において被指定者を特定し得る以上,右の如き指定も有効であり,特段の事情のないかぎり,右指定は,被保険者死亡の時における,すなわち保険金請求権発生当時の相続人たるべき者個人を受取人として特に指定したいわゆる他人のための保険契約と解するのが相当であって,前記大審院判例の見解は,いまなお,改める要を見ない。そして右の如く保険金受取人としてその請求権発生当時の相続人たるべき個人を特に指定した場合には、右請求権は、保険契約の効力発生と同時に右相続人の固有財産となり,被保険者(兼保険契約者)の遺産より離脱しているものといわねばならない。然らば,他に特段の事惰の認められない本件において,右と同様の見解の下に,本件保険金請求権が右相続人の固有財産に属し,その相続財産に属するものではない旨判示した原判決の判断は,正当としてこれを肯認し得る。」

 


 

 


 

 
相続遺言判決実例集